201809/30 山のような、街のような 地元な話 0 山形国際ドキュメンタリー映画祭と隔年開催されている、山形ビエンナーレ。前回は何も知らずに会場に入り、作品に触れた。今回こそは、予習を少しした上で、あちこち回ってやる!なんて思っていたが、急浮上したリフォーム問題祭りの影響と引っ越し大会の影響で、見事に前回同様、最終日のみの参戦となってしまった(涙)今回は「山のような」をテーマに作品展示やイベントが開催されていた。 見ることができたのが、最終日の、しかも最後の最後のイベント。事実上の閉会式のようなイベント。山形ビエンナーレの芸術監督の荒井良二さんと、小説家のいしいしんじさんによる「その場小説」観客と1問1答しながら、いつの間にか小説が完成してしまうというライブイベント。のようなもの。会場に入る際、事前に名札が渡され、それを胸につける。会場内の座席は、椅子ではなく、ベニヤ板を組んたものが周囲にあり、中心にテーブルと方眼紙?用意されていた。閉会イベントということもあってか、一部新聞などのメディア関係者も揃っていた。今回のその場小説は、観客約70名が主人公、全員と一問一答し、それが作品となる。と言いながら、そんなことをしてしまうと、繋がりのない作品が出来上がってしまいそうな予感。当然、いしいさんから1人の観客に出した最初の質問も、本当にこの山形ビエンナーレともなんとも関係のない至って普通の質問だった。それに答えて、いしいさんが話を膨らませる。そして、荒井さんがちょっとした挿絵を書いていく。これが延々70回繰り返される。会場中央では、如何にも事務的な作業が繰り広げられているようにみえる。そして、約3時間の質問大会でのやりとりが行われるという非常に妙な空間だった。前半では、なんてことなかったものの、後半になっていくにつれて、方眼紙が船のような形になっていく。話も質問大会からの回答で登場したワードなどから、いつの間にか物語として成立していた。もちろん、私もいしいさんに質問されて、すぐさま回答。それが瞬時に物語に組み込まれた。最終的に、この話が決定づけられたのは、ある観客の「帰ってきたヨッパライ」の回答によって、全員が亡くなったという設定がつけられたこと。こうして、3時間近くに渡って繰り広げられた一問一答大会は、あの世へ向かう大型客船の乗客乗員が月へと旅立つ小説に変わってしまった。閉会イベントが開催されたのが、秋のお彼岸。だからこそ、今回いしいさんは閉会イベントに旅立ちのお話と船を取り入れたという。最初は全くそんな話が完成するなどと誰も考えていなかった。もちろん、私の一問一答の回答もパッと答えただけであって、その小説を作ろうなんて考えもなかった。それが、あの場にいた観客と関係者等によって、小説が完成してしまった。なんとも不思議な時間だった。最後は、芸術監督の荒井良二さんによる閉会宣言によって、山形ビエンナーレは閉幕した。といっても、形式張ったものではなく、普通にイベントが終わったがね。今回もなんだかんだで、最終日だけの参加となったが、それだけでもあまりにも濃度が高すぎるイベントであった。次回こそは、次回こそは何もなければ、最初から見てみたい!閉会セレモニーのようなもののあとは、会場内で、荒井さんといしいさんによる写真撮影、サイン会が行われていた。ここでは、関係者とかそういうのは一切関係なく、写真を取り合ったり、サインをしていた。これは、山形国際ドキュメンタリー映画祭も似たようなところがあり、映画関係者と市民別け隔てなく話を聞くことができた。私も、いしいさんの写真撮影会で、全く知らない人のスマホを受け取り、写真を取りまくっていた。私は荒井さんからサインを頂いたのだった。ありがとうございました。そして、また2年後にあの場所でお会いしましょう! PR