テレビショッピングで、
大々的に一人の人物のお別れをする番組なんてあっただろうか?
ジャパネットチャンネルDXでやっていた、
ジャパネットたかたの30周年記念30時間特番。
30周年記念の特価の大セールとか、そういうのは確かに他の会社でもありそうな話だが、
ここの30周年記念セール・・・いや、特別企画は全然違った。
昨年の社長退任以降、1年ほどはテレビに継続出演するという話はあったが、
昨年末、社長退任からちょうど1年の日に、
通販の出演もやめるという話が出た。
そして、金曜日から土曜日にかけて放送された30時間特番。
これは、高田明前社長から高田旭人社長、
そして、これまで育ってきた若手MC・スタッフへのバトン引き渡しの番組だった。
予告では、午前0時までの出演を持って、高田前社長はやめるという話だった。
とりあえず午後11時からのパートを録画していたが、
完全に商品紹介どころではなかった。
特に女性陣は、感極まって涙があふれていたが、
それを必死で堪えながらの商品説明。
それをアシストする高田前社長という構図。
なにやら、1商品ずつ、MC陣と高田前社長と2人で紹介していたらしい。
1対1の商品紹介のラストは、MC陣の中で長いこと出演されている
塚本さんと高田前社長との50型AQUOSの紹介。
昔はソニーのWEGAなんて連呼していた時代があったが、
今やブラウン管から液晶。そして、その液晶テレビも縁が細く
奥行きも更に細くなった。
ジャパネットチャンネルDXがジャパネットスタジオ242だった頃、
10数年前に、プラズマテレビだったか液晶テレビを紹介していたが、
出始めた当時なんて、100万円だっけ?50型クラスで。
値段の変化と言うのは大きい。
最後に紹介した商品は、カラオケの「オン・ステージ」だったが、
商品紹介という形ではなく、完全に「高田明オン・ステージ」と化していた。
高田前社長を取り囲むように、ジャパネットのMC陣、社員、
更には、メーカーの関係者の方もいたらしい。
普段なら1番だけ歌って終わる「北国の春」とか「高校三年生」を、
フルコーラスで歌い、最後に恐らく登場予定はなかったと思われる、
息子の高田旭人社長が登場し、バトンの引き継ぎ、そして、
最後のお別れの挨拶で、最後の出演は終わった。
完全に商品紹介はどこ行った?
いや、これが高田明流のお別れなのだろうか?
テレショップらしいテレショップではないのは確か。
でも、QVCやショップチャンネル、
さらには、他の通販会社とは何かが違うのも確か。
地方局制作の夕方の生ワイド番組。
あるいは、地方局制作の朝の情報番組的なもの。
恐らく、どこかのブログ、あるいはSNSで同じことを
書かれている方もおられると思うが、
既存の地上波テレビ局が忘れてしまった「テレビ番組」の作り方を
やっていたのが、ジャパネットなのだろうか?
そして、それを実践していた高田前社長、
そのDNAを継承しているMC陣やスタッフ、関係者。
本来のテレビのライブ感とかそういったものが、
あの番組に凝縮されていたに違いない。
高田前社長が抜けたこれからが、
ジャパネットという通販会社、いや、放送局の新たな幕開けだろう。
とにかく、高田前社長、
長い間おつかれさまでした。