フコイダン 秋の祭り|映画な話|ノフログ ~noof's weblog~ 忍者ブログ

日本の「バカ」が濃くなっていませんか?

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秋の祭り

山形の秋といえば、芋煮会もそうだが、
忘れてはいけない物がある。

今年で14回目を迎えた、「山形国際ドキュメンタリー映画祭
回数だけで言えば、21世紀に入ってから始まったようにも聞こえるが、
実際にスタートしたのは1989年。
山形市の市制施行100周年記念として開催し、
以降、隔年開催されている。

大体、9月ぐらいにはテレビやラジオで宣伝が流れてくる。
ドキュメンタリー映画祭にふさわしい?前衛的なCMが流れていたりするが、
見に行ったことが無かった。
娯楽映画なら数多く見ているが、この映画祭もそうだが、
ドキュメンタリー映画を見に行くというのは多分なかった。

折角の休みで、世界中から多くの関係者が集まっていたりする
貴重なイベントなので、土曜日に見に行ってみた。






そもそも、この映画祭は、
ドキュメンタリー監督の小川紳介さんの提案によるものらしい。

この監督は、上山市に移り住んで「ニッポン国古屋敷村」という
長編ドキュメンタリー映画を制作していたという。
地元で撮影された映画ではあるが、見たことがない。
何らかの機会があれば見てみたい。

この映画の撮影が縁で山形とのつながりを持つようになり、
アジアで初の国際ドキュメンタリー映画祭が開かれるようになったという。
以前は、山形市の中心部に映画館が数多くあったので、そこで上映が行われていた。

山形シネマ旭やミューズ、山形宝塚などは閉館し、
事実上、嶋地区のMOVIE ONへ。
フォーラムやヌーベルFなんて映画館もあったが、
フォーラムは山形市民会館隣へお引越し、シネコン形態へ。
ヌーベルFは閉館。
その代わり、山形駅西口にソラリスというシネコンが生まれたんだったっけ?

現在、スクリーン数で行けば、あの頃よりも増えたのやら、減ったのやら。
ただ、映画館というのは七日町からは消えた。



なんて映画館の話はさておいて、
今年は、山形市中央公民館、山形市民会館、
フォーラム、山形美術館、遊学館で上映会が開かれたり、
飲食店かなにかでも、関連イベントが開かれているらしい。
そこでは、出展されている作品の監督も来るとか。
一覧を見ていくと、「三上智恵」という何処かで聞いたことある名前があった。

沖縄・QABの三上智恵アナだった。
現在はQABを退社されていたそうだった。
以前も何やらこのドキュメンタリー映画祭には作品を出品していたという。
テレメンタリーで放送された「標的の村」を、
更に編集して公開していたという。

今年は、「戦場ぬ止み」という作品を出品していたらしい。
辺野古基地の問題などを取り上げた作品だったが、
今日の公開だったらしい。
ちょうど、自動車屋の予約を入れていたので断念。

また、この映画祭では、戦後70年ということで、
そういった話題のドキュメンタリーなどもあった。
YBCが過去に制作したドキュメンタリー番組数本の上映会も。



ただ、どれを見たらいいかわからない。
とりあえず、全く中に入ったことがない場所で見てみたいということで
山形市民会館での上映作品をみた。



「真珠のボタン」というチリのドキュメンタリー作品。
ポスターだけをみると、カヌーと湖か海だろうか?
それに太陽。
なにか、チリの自然の神秘か何かの映画のような感じもしたが、
実際に見てみれば、そういう作品ではなかった。

チリの先住民の話。
そして、チリで過去に起こった虐殺を取り上げていた作品だった。
海底で見つかった金属にくっついていたボタン、
それがどうやら、過去にチリでの虐殺された人の衣類についていたボタンだという。
そこからこの国で果たしてなにがあったのか、
先住民たちはどうしていったのかという話を
水の記憶とともに描いていた。

チリといえば、先日大きな地震と津波があった。
その国で過去にこういった出来ことがあったなんて、
もしかしたら、このドキュメンタリー映画を見るまでは、
具体的に知らなかったかもしれない。

なかなか他国の実情や過去の状況なんてものは、
知ろうとしないかぎりは頭に入ってこない。
今回偶然選んだ作品は、映像的には非常に美しい物があった。
海底の映像、宇宙の映像、そして、海の映像。
そこに監督が静かに語りかけるナレーション。

その一方で、どのようにして虐殺が行われたのか、
そして追われた人々がどうなったのか、
そういったところを
美しい映像とともに描かれていた。

これらの映像は、頭にこびりついてしまった。
チリの過去の「記憶」とともに。


ドキュメンタリー映画は、
テレビの深夜にやっている、ドキュメンタリー番組や、
民教協スペシャルとは又違ったアプローチの仕方で
物事を訴えかけてきている。

BS1で放送されている、「BS世界のドキュメンタリー」でも、
世界各国のドキュメンタリー番組が放送されているが、
あれだって、お国柄やら、その監督による
特異的な映像表現があったりもする。

そういった比較をしてみるのも面白いかもしれない。
もっと時間などがあれば、ぜひとも他の作品も鑑賞してみたいが、
現状の仕事じゃどうしようもない。


なお、この映画祭は、10月15日まで開催されている。
また、一部の上映作品では、作品終了後に質疑応答の時間があるらしい。
そこで鑑賞した人からの質問に、監督を始め、作品の関係者が答えてくれるという。
この模様は、一部作品に関してUSTREAMでも生中継されている。


とりあえず、自分にとって刺激になったことは間違いないだろう。

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