最近、妙な映像を拝見する機会があった。
第1回目の24時間テレビ。
萩本欽一さん、大竹しのぶさん、徳光和夫さんが外回り、
スタジオから、大橋巨泉さんと竹下景子さんが進行していくというものだった。
これを見ていて一番違和感を感じたのが、
「募金受付電話」の存在。
ラジオチャリティミュージックソンでは、毎年ニッポン放送を始め、
各局に受付の電話が用意されているが、
24時間テレビでも、募金受付電話が存在したことに驚いた。
いやまて、元となったアメリカのレイバーデイ・テレソンって、最後まで電話番号出てたぞ。
私が物心ついた頃、恐らく「サライ」が出来て1年とか2年ぐらいの頃だろうか。
電話で受け付けるなんてことはやっていなかったような気がする。
一体、電話での募金受付はいつまでやっていたのか。
それと現在、武道館の電光掲示板に表示されるあの募金総額とやらは、
どういう計算をして出したものなのか・・・。
当時の番組はきっちり1時間毎にコーナーを終えるスタイル。
00分00秒になればコーナータイトルと提供を流し、CMのあと
本編スタート、そして、1時間の番組を繰り広げて、次の時間の前に一旦コーナーを締めていた。
募金告知も特徴的で、シンセサイザーのチャイム音とネット局からの募金受付方法&募金電話番号告知と
今ではいきなり切り替わってしまうが、
90年代か2000年代前半ぐらいまで、日テレの新人アナウンサーがステージの袖か
武道館のアリーナで「募金会場はこちらです」なんて告知をしていた記憶がある。
番組テーマ曲は、もちろん大野雄二さんの「LOVE SAVE THE EARTH」だが、
エンディングの前に流れた音楽、どっかで聞いたことがある・・・。
「What The World Needs Now Is Love」
この曲、レイバーデイ・テレソンの
募金総額発表の際に流れていたファンファーレの原曲。
やはり、レイバーデイ・テレソンが源流であるというのも
この曲からわかるかもしれない。
(単なる偶然か、同じ曲を使ってみたかったか)
合計金額発表の時も、第1回はドラムロールを流して発表していた・・・
近年はサライの2番と3番の間の間奏で・・・
サライも、一応最後の最後にドラムロールがあるんだが。
ちなみに、あちらのテーマ曲だった「Smile」は
ひょうきん夢列島だったかの回の新人アナの提供読みBGMとして使われている。
・・・やはり、源流はレイバーデイ・テレソン(多分そっちは違うだろ)
と、あくまでも実験的な企画ということで大成功を収め、
その後、夏のチャリティイベントとして根付いてしまった。
そう、チャリティが定着したことはよい。
しかし、コンテンツとしてみる24時間テレビとなると、話は別だ。
27時間テレビ、もとい、FNSの日も第1回を見る機会があった。
タモリさんと明石家さんまさんが総合司会を務めていたのだが、
こちらは余りにもユルすぎることに驚いた。
たとえるならば、今や定番企画となった「今夜は眠れない」的なトークライブがメインだったのだろうか?
あとFNSの日といえば、全国各地の一般の方を紹介して行くものも名物だったような。
今年もちびっ子ホンキーダンスなんて企画で、全国各地の踊りの上手い一般の方を紹介していた。
ただ、今の27時間テレビの場合は、そういった番組オリジナル企画よりも
既存の番組寄せ集め大会になりつつあるのもなんともいえない。
先程も述べたが、24時間テレビと27時間テレビの大本は、
アメリカのジェリー・ルイスさんが総合司会を半世紀近く務めてきた
レイバーデイ・テレソンであった。
それが、日テレの都築さんの目に止まり、24時間テレビをスタートさせる。
前代未聞の番組は大成功。
しかし、フジテレビは約10年後にその番組に対するアンチテーゼとしてFNSの日がスタート。
これまた好視聴率を取る。
一方、24時間テレビは視聴率低迷。そして、提供CGやらなにやらを引用。
で今度は、FNSの日が向こうのチャリティTシャツのような、全員おそろいのTシャツ着用・・・
結局、チャリティ抜きで考えれば、互いにパクりパクられを延々続けている。
そんなのをよそに、レイバーデイ・テレソンはついに終焉を迎えた。
放送時間も24時間近くの放送から、たった数時間の放送に縮小して、終わった。
http://www.foxnews.com/entertainment/2015/05/05/jerry-lewis-on-end-mda-telethon/
↑FOX NEWS 5月5日
昨年、一躍有名になったアイスバケツチャレンジ。
これが終了の最大の要因だったらしい。
レイバーデイ・テレソンは筋ジストロフィー症の難病患者を助けるためにスタートした番組だった。
当時は、テレビが最大のメディアだった。
しかし、今ではどうだろう。
ネットメディアが大きく力をつけてしまった。
ネット時代の新たなチャリティ・・・それがアイスバケツチャレンジだったのだろうか。
それとともに、テレビを通じて行ってきたレイバーデイ・テレソンは役目を果たしたということで
最後を迎えた。
向こうの番組は、それらしい終わり方をして番組が終わった。
で、日本はどうだろうか?
年に1度のお楽しみで、半世紀近く続いた終わった番組といえば、
「新春かくし芸大会」
あの番組は残念ながら視聴率低迷ということで、最終回を迎えたが、
事実上「TEPPEN」がある意味継承している。
ただ、それもいつまで持つのやら。
長寿化、歴史的番組化してしまうことによって、
なかなか大鉈を振ることが出来ない今のテレビ業界。
もうバラエティ番組は、テンプレートのオンパレードのような気がしてならない。
「乱立する余計なサイドスーパー」「芸人さんのワイプ」「過剰なナレーション」
などなど。
「どこぞの番組がやってるから、じゃあうちも」
なんてやってるうちに、
いつの間にか、そうした番組ばかりになってしまった。
正直言って、今のテレビは面白く無い。
というのは言い過ぎかもしれない。
面白い番組だってある。
「ヨルタモリ」
あれは、余計なサイドスーパーが入らず、軽くツッコミのテロップが入るくらい。
あとはタモリさん扮する常連さんとゲストとのトークを楽しむ番組。
「モヤモヤさまぁ~ず2」
あれの場合は本職のナレーターを一切起用せずに、音声合成ソフトを起用するという
テレ東ならではのアイディアが光っている番組。
BGMも、なんだか聞いていてシュールなところもある。
地名に合わせた楽曲とか。
他にも、面白い番組はある。
最近の日テレのバラエティだと「月曜から夜ふかし」や「DASH」以外はなぜか受け付けない。
いやまて、近年腹を抱えて大笑いしたバラエティ番組って・・・
「水曜どうでしょう」か「ロンドンハーツ」ぐらいか?
これらもディレクター、或いはプロデューサーの執筆作品などを読むと、
実は他の何かしらの番組から影響を受けているそうで、
よくよく見れば、確かに「あの番組の影響がある」なんて思わせるところもある。
面白い番組をつくろうという志を忘れていなければ、
これからもテレビはなんとかなる。
しかし、それを忘れてしまう。
そして「本当の主役」の存在を疎かにしてしまうと、
テレビは衰退の一途だろう。
いや、すでに衰退して、ネットに流れてしまってる・・・のか?
日本のテレビの物差しとも言うべき番組が、
実は「FNSの日」と「24時間テレビ」なのかもしれない。
それらを一気に崩すのであれば、
満員の武道館のアリーナに、たった一人ぽつんと立たせて、
10分ぐらい小噺させるとかどうなんでしょうかね?
グランドフィナーレで
いや、そんなこと出来るタレントって今いるのかしら?
ちなみに、私は24時間テレビとミュージックソンには必ず参加してます。
念のため。