ここ最近は、妙に地上波の番組がタイムスリップしているように思える。
日曜日の夜が特にそうだった。
わたしが生まれて1年ぐらい経った、1990年に終わった番組が2つ。
「ビートたけしのスポーツ大将」と「世界まるごとHOWマッチ」
前者は4時間の特番での復活スペシャル。
後者は1時間だけだが復活。
私はこの2番組をリアルタイムで見た記憶は当然ない。
ただ、HOWマッチの方は、偶然録画してあったテープが1本だけあったので
だいたいの内容は薄っすらとつかめている。
(なぜか、開局間もないTUYで録画してたらしい)
スポーツ大将はYBCでやってたと、某辞典ページにあるのだが・・・。
スポーツ大将はビートたけしさんだけでなく、ナインティナインの2人も参加。
と言いながらも、実質的にはナイナイがメインで、
各種スポーツのアスリートと対決していた。
たけし軍団もあれから25年経ち、年齢を重ねてしまったので、
こういった事になったのだろうか。
一方の、「HOWマッチ」は「日本まるごとHOWマッチ」としてスケールダウン。
司会も巨泉さんではなく、当時ナレーターだった小倉智昭さん。
今回はナレーター兼任で。
アシスタントが八木亜希子さん・・・
ちょっと待て、これフジテレビの朝の番組のリレー?
「めざましテレビ」と「とくダネ!」
ゲストには、当時の回答者は1人も居なかったが、
キャスティングはおそらくそれらを踏襲していたと思われる。
さて、この2番組の復活スペシャル。
完全に当時を再現したのかといえば、そうではないと思われる。
演出面やVTR編集などは、明らかに「今」のバラエティである。
妙に派手目に見せたセット、各種スーパーも
当時とは明らかに違うだろう。
ただ、「HOWマッチ」のほうが、当時の雰囲気にかなり近づけていたらしい。
番組の基本的な進行、などはこちらのほうが一枚上手だった。
CMまたぎなど当時はありえなかったところもあるが、
そこは現代の演出に合わせた格好だろうか。
オープニングも当時の雰囲気を出しつつも、CGにしてしまっていたりとか。
TwitterのTLを見ていても、概ね好評だったのかしら?
細かい点で「MBS」でなく「毎日放送」だろとかそういう話もあるようだが。
「スポーツ大将」はどうだろうか?
どことなく「とんねるずのスポーツ王は俺だ」を
連想させるシーンが多々あるのだが。
ナイナイと若手アスリートとの対決とか。
そこに一般視聴者・芸能人・アスリート・未来のオリンピック選手が挑んでくるとなると、
「炎のチャレンジャー」っぽさがあった。
もしかして、「スポーツ大将」のノウハウがこれらの番組に継承されていた
ということなのだろうか?
まあ、推測で語ってるのでなんとも言えない。
巡り巡っての「スポーツ大将」だったのだろうか。
「今、放送している各種番組の源流はこれだ」と言わんばかりの
特番だったかもしれない。
ただし、テレ朝お得意の長時間編成であるため、やや間延びしてしまい、
なつかしのVTR大特集なんてコーナーも挿入された。
まあ、今のバラエティ制作スタッフが、昔の番組を再現するとこうなるぞという
見本を見事に見せつけられたような日曜の夜だった。
しかし、現代のバラエティ的な演出を取っ払って復活した番組もあった。
それが、昨年末放送の「クイズダービー」
「金スマ」で大橋巨泉さんの特集を放送した際に、番組内で復活。
この復活版は、「金スマ」での「クイズダービー」
というものではなかった。
あの部分だけは「金スマ」の色が全くなかった。
余計なしゃべりのスーパーもなく、
淡々と進行していったが、現代のバラエティの演出に慣れてしまった人間が出てしまうと、
破綻してしまうというのも、目に見えてわかりやすかった。
特に中居くん・・・。
バラエティの作り方はおそらく変わらないところもあるだろう、
しかし、時代とともに変わってしまったというのはある。
25年前と今とでは、制作環境も大きく違う。
テレビの画角だって、あの当時は4:3だったのが
今じゃ16:9になったわけだ。
放送局のネット体制も、25年前と今とでは大幅に変わってる地域だってある。
しゃべりのスーパーも今や乱発。
ご丁寧過ぎるサイドスーパーも出しまくり。
果たして、今の番組って、何を見せたいのだろう。
という、昭和90年春・・・じゃなくて、平成27年春であった。