そういえば、昨日と今日は27時間テレビだった。
なんだかんだで、こちらの方は見てしまっている。毎年のように。
去年は、なんとかさんまさんと火薬田ドンさんで何とかしようとしたが、
総合司会と称していた人達がなんだったのか。
今年は、ここ10年ぐらいの27時間テレビの流れをいい意味でぶち壊してくれた。
大抵の場合はこうだ。
オープニングトークからやたらと盛り上がっているスタジオ。
コーナー紹介、そして系列局企画リレー中継などで始まり、
レギュラー番組の特別編やらなにやらをやって、途中で「今夜は眠れない」
何らかの特別企画が含まれて、サザエさん(以前ならちびまる子ちゃんも)。
そして、スタジオorどっかの会場でグランドフィナーレ。
番組に関わった出演者のほとんどが集まり、
新人アナの提供読み、そして、大量の紙吹雪。
これがここ10数年のFNSの日のおおまかなフォーマットであった。
今年は、「SMAPの生前葬」からスタートした。
生前葬は大体20分ぐらい続いただろうか。
これが終わってようやく、オープニングだった。
そのあと、レギュラー番組の特別編やらなにやらという
いつものFNSの日っぽいコーナーは確かにあった。
ただ、何かが違う。
キムタクの相撲、あれがガチだということとか、
ワイドナショーの赤裸々なSMAPの声。
SMAP解散を題材にしたドラマでの、実在する人物やら番組をふんだんに使った
ドキュメンタリー形式のものとか。
あとは、スタッフが約1時間放棄したコーナーとか。
20数年前に読売テレビが、EXテレビで上岡龍太郎さんに
1時間に渡ってスタジオ内にスタッフ不在の状態で喋らせるという
とんでも企画の再現を、フジテレビがやったという感じにも見えたが。
ここ10数年のFNSの日では見られない、
いや、他局を含めてあまり見れないものをやろうとしていた。
その中で安定してるのは、やっぱり今夜は眠れない・・・
そして、グランドフィナーレだ。
19時台に特設会場に人を集めて開催されたSMAPの45分メドレー。
FNS系列各局から参加した出場者、関係者、
ゲストの面々が見守る中のライブ。
さあ、これでいよいよグランドフィナーレ。
系列局の面々、ゲスト、そして、カトパン、エナパン、ざわちん
27時間共に戦った面々がステージに・・・上がってこなかった。
延々SMAP5人に喋らせた後、佐野アナの登場、そして、フジテレビV4スタジオまで
さっきまでライブをやっていた総合司会者が歩いて帰るという
前代未聞のことをやってくれた。
フジテレビに戻る間に、SMAPへのメッセージが流れ、最後の最後にSMAPの元メンバーで
現在はオートレースの選手として活躍している森くんからのメッセージ。
おそらく、今の若い世代の子たちは、当然リアルタイムで6人目のメンバーだった
森くん・・・いや森選手がSMAPにいたというのは知らない。
それでも、手紙の文面で伝わってくるものというのがあった。
27時間前に今のSMAPの写真があった場所には、
デビュー当時のSMAPの面々。
そして、ゴール。
そのあとに提供読み・・・新人アナはおそらくFNSの日開始以降史上最低人数のたった2人。
例年なら少なくとも3人。多くて6人が提供読みをリレーで読み上げるのだが。
大ラスは、SMAPのメンバーからのメッセージで締めくくられ、記念写真となった。
今回の27時間テレビは、ここ10数年の「FNSの日」というものを
壊そうとしていた。
そして、壊してくれた。
流れをくむものは確かにあった。
ただ、明らかに違うものにしようとしていたのは
エンディング。
まあ、私の場合は、エピローグとプロローグが全てを物語っていると考えている。
あのプロローグ。いやグランドフィナーレ。
本来いるはずのゲストが不在、系列各局から参加された方も不在というのは
FNSの日で見たことがない。
司会者と新人アナ・進行アナぐらいしかステージにいない長時間番組のエンディングなんて・・・。
日テレの24時間テレビや、紅白歌合戦などといった大型番組といえば、
全出演者が一同に集まり、出演者が集まったその後に、
合唱団・バックダンサー・更にはオーケストラがわんさか登場してフィナーレを迎える。
というのが、よくある日本の大型番組のエンディングである。
(で、最後の最後にキャノン砲から紙テープなり紙吹雪が発射されると)
日テレの24時間テレビの元となったMDAテレソン。
俳優のジェリー・ルイスさんが司会だった時代は、
ジェリーさんが最後の最後にステージ上1人だけで「You'll Never Walk Alone」を熱唱、
最後にステージ上の椅子にマイクを置き、「Smile」の生演奏をバックに
退場する。
まさに、それを彷彿させるような終わり方だった。
若干の違いはあるが。
わーっと盛り上がりながらエンディングというよりか、
まあ、スタッフに見守られながらのエンディングではあるが、
何かが違っていた。
テレビというのも、その時代その時代によって、演出手法やら
番組の流れなどがことなる。
60年前に手探り状態ではじまり、そこからテレビの可能性というものに着目し、
各放送局がそれなりの答えを見つけ出そうとしていた。
1980年代、1990年代といき、2000年代、2010年代へと突入していった。
日本がバブル経済になるとともに、更にテレビは華やかになった。
しかし、経済衰退とともに・・・。
ただ、経済衰退したとしても、テレビはなんとか見栄えだけは良くしようとした。
Twitterのあり方の転換点となった2011年の東日本大震災。
あのとき、テレビを始め、メディアのあり方も転換点となったように思える。
あの前後から、よくあるタイアップ企画の増大、
お手軽企画の乱立など、正直これでええのかテレビって?
なんて思えるような内容ばかりになった。
ただ、頑張ろうとしている番組もある。
ネットのほうが面白いなんていうのもあるが、
正直、ネットのコンテンツって結局はテレビからの
おこぼれともいえるかもしれない。
個人でも手軽に発信できるようになった。
携帯端末だけで。
やろうと思えばプロ並みの設備でっていうのもあるだろう。
ただ、「プロ」と比べてしまうと、面白いものを作る人は面白いかもしれないが、
正直全体的に見てしまえば、面白くはない。
テレビって本当は「おもちゃ箱」であるということを
再認識させたのが、今回の27時間テレビだったのかもしれない。
プロフェッショナル集団による面白いことをやるテレビ。
それがFNSの日かもしれない。
ここ10数年やって来たことは、FNSの日という先人達が敷いてきたレールに
ただ乗っかっていただけだ。
今回はそのレールの大規模改修工事を行った。
結果、ああなった。
ゲストや観客、系列各局の参加者がいない、あのエンディングこそが全てを物語っている。
型破り。
それをすることは今の時代は難しいが、フジテレビは本当はそれをやってきた放送局のはずである。
ぜひともテレビを作っている皆さん、これからも見たことのないものを是非お願いします。
ということで、ブログ毎年恒例の「FNS27時間テレビ」のスポンサー様一覧でも
花王・P&G・KDDI・セブン&アイHD・トヨタ自動車
日本マクドナルド・味の素・NTTドコモ・ガンホー・日本コカコーラ
小林製薬・サントリー・日産自動車・富士重工業・三菱電機
ライオン・アース製薬・ソフトバンクモバイル・第一三共ヘルスケア・日清食品
任天堂・本田技研工業・森永製菓・ヤマト運輸・アサヒ飲料
旭化成・アデランス・NTT東日本NTT西日本・カルピス・サッポロビール
ジャパンゲートウェイ・スズキ・住友生命・積水化学工業・第一生命
大和ハウス工業・武田薬品工業・東芝・TOTO・日本生命
バンダイナムコゲームス・ホーユー・三菱自動車・明治・明治安田生命
メガネトップ(眼鏡市場)・ユニチャーム・ユニリーバ
以上、48社 (ネットセールス・1分以上のみ)
更にこのエンディングでクレジットされなかった30秒枠のスポンサー、
ローカルセールスを含めると100社?
民間放送の場合は、こういったスポンサーがつかなければテレビは出来ない。
何かの番組で誰かが言っていたと思うが、
テレビ番組には、スポンサーだけではなく、
我々視聴者も直接的ではなく、間接的に関わっている。
そう、スポンサー様の製品を購入する、或いは利用するという形で。
ネットで不買運動だの何だのと言ってますが、
考えてみると、最終的にテレビを殺したのは、我々であり、自分なのかもしれない・・・。
あのドラマでのSMAP解散の噂ではないが。